懇願

娘から 「あのねぇ、ママァ。」 「幼稚園でね、『ぬいぬい』したことがあるの。いろんなものを作ったの。」 「すごく気を付けていたから、あのね、一回も『ちっくん』しなかったんだよ。」 「…だからね、ママァ。」 「ママみたいに『ぬいぬい』してもいい?させてくださぁい。」 と懇願され、何故こんなに頼み倒しているのか訊いたところ 借りてきたクラフトの本で紹介されている作品の大部分が縫って作るモノだからだそうで。 もっと易しめな本を選べばいいのになぁ…と思いつつ、しかしやりたいと思ったことはやらせてあげたいなぁと思いつつ、しかし針はまだ7歳では早いよなぁと悩みつつ、しかし一歩を踏み出すにはいい機会なのかもしれないなぁと思いつつ、こういう時のための、子供用の危なくない針とかあったらいいなぁとか考えつつ、返事に困っていたところ 「…ねぇ~、いーい?」 と返事をせっつかれたので 「…ちょっと待って。考えさせて。」 と返すと 正面向いて座っていた娘が今度は私の方に背を向け、私に体重を掛けて体育座りをしながら 「じゃあーいつになったらお返事くれるのお?」 と切なそうに、更に食い下がってきました。 それが昨日のお話で、そして今日も返事を早くくれるように催促されました。 娘が幼稚園で裁縫をしたという話は大なり小なり脚色されていて、実際の針は使ってはいないのでしょう。恐らくそんな前ふりは正直どうでも良く、要するに裁縫をしたいのでしょう。 ちっくんしない針があったらいいなぁ。 日本なら100均のビーズを買ってきて代わりにそれをさせるんだけれど。

運賃

娘と2人でバスに乗っている時のお話。 掲示物を見て娘が「バスが変わるんだって」と私に言ってきました。 一体何のことかとその掲示物を確認したところ、どうやら娘は “bus”と”changing”だけを拾い読みしてそう言ったようでした。 変わるのはバスじゃなくてfareの方だよと伝えると、娘はその意味を知らなかったようなので、「運賃のことだよ」と説明も併せ言い換えてみました。 「運賃の運は運転の運。運賃の賃はお金の意味だよ。」 「じゃ運賃って言ってみて?」 それを聞いた娘は、思わずこみ上げる笑いで顔を歪ませながら、小声でそしてさも訳知り顔で、私にこう窘めてきました。 「シーッ!!あんまりこういう事は外で言っちゃダメ!(笑)」 「みんなに聞かれちゃう!」 一瞬何のことやらさっぱり意味が分からなかったのですが、すぐにピンと来ました。さすがパパの娘です。そういう方面には敏感なんですね。 「いや運賃ってそういう意味じゃない。例え聞いたところで大人は誰もそういう意味として思わないよ。」 と返すと、娘はなるほどなるほどそうよねと、さも理解のあるお姉さん風に納得し 「そっか、分かった。うんち『ん!!!!』ね。」 「ん」の部分だけをそんなに大声で強調したら、余計にその言葉を連想させてしまうという考えは娘の頭にはないようです。 努力の方向性をちょっと見誤ってる感が否めません。